テレビや雑誌、Yahoo!ニュースなどで「海外の有名俳優が慰謝料100億円を支払って離婚をした」などのニュースを見ることはありませんか?
たとえば、マイケル・ジョーダン(有名なバスケの選手)、1989年に結婚し2006年に離婚。17年間の結婚生活で支払った慰謝料は、196億円です。
次元が違いますね。世界で一番有名なバスケットの選手ですから慰謝料も世界一です。
日本人であれば、千昌夫(有名歌手で不動産王)、1972年にアメリカ人と結婚し1988年に離婚。16年間の結婚生活で支払った慰謝料は、50億円です。
※ マイケルジョーダン、千昌夫さんも財産分与が含まれているので途方もない数字になっています。
離婚時の慰謝料は、請求される側の収入や様々な条件により一般的に50万円~1000万円(慰謝料のみ)と金額にかなり違いがあります。
また、「この場合は◯◯◯万円」と言えるようなものではありません。
もちろん、一般家庭の慰謝料で数億円になる事はなかなかありませんが、証拠を揃え裏切った責任を取らせる為、今後の生活の為に、少しでも多くの慰謝料を請求し、双方から勝ち取ることが必要なことは皆さんわかっているかと思います。
この記事では、浮気・不倫による慰謝料の相場や、慰謝料が状況により上乗せされるケース、また離婚時の慰謝料請求に関連する考え方や注意点についてお伝えさせていただきます。
※自分にあったピンポイントの情報を知りたい場合は、離婚や家庭問題に強い離婚弁護士に相談するのが最適です。
あなたが慰謝料を請求する立場の場合、慰謝料が状況により上乗せされるケースあるという事について知っておくと有利になる事がありますので、ご自身の状況と照らし合わせて正当に請求できる金額ははたしてどれぐらいなのかを確認してみてください。
浮気・不倫による慰謝料の相場は50~300万円
そもそも浮気・不倫の慰謝料とは何のお金かというと、「浮気をしていた夫(妻)とその相手から、不法行為により精神的な苦痛を受けたことに対して支払われるお金」のことです。
この「精神的苦痛」というは数値ではかれませんから、慰謝料の金額を決める際の明確な基準は決められていません。
しかし一般的な目安、過去の平均相場はあります。
- 浮気の発覚のみで、夫婦関係をその後も継続する場合
慰謝料は、「50万〜100万円」 - 浮気が原因となり、別居状態になった場合
慰謝料は、「100万〜200万円」 - 浮気が原因となり、離婚をした場合
慰謝料は、「200万〜300万」
意外と少ない…。と感じた方もいるかもしれませんが、これはあくまでも「浮気に対する慰謝料の相場」です。
離婚の場合、財産分与、養育費(子供さんを引き取る場合)、が加算されますので、子供さんが成人するまでの合計をすると数千万円の金額になります
また、浮気により精神的苦痛を受けた場合、一般的な相場よりも高額な慰謝料を請求できるケースもあります。だからこそ「あなたに正当性があるなら慰謝料は、相場以上に請求する事は状況によりできる」ということを覚えておいてください。
浮気・不倫による慰謝料が相場よりも高く請求できるケース
先ほどもお伝えしましたが、慰謝料は受けた損害が大きいほど金額が高くなる傾向があります。
たとえば浮気をされた側が、「家庭の崩壊により社会的地位を失った。」もしくは「精神的苦痛により病気になってしまった。鬱になった。人間不信。」など、取り返しのつかない損害を受けた場合、それは慰謝料増額の要素となります。
他にも慰謝料が高くなるケースは次のようなものがあります。
- 婚姻期間の長さ
結婚をしていた期間が長いほど、慰謝料は高額になることが多いです。 - 請求相手の経済力
慰謝料を請求する相手の社会的地位や収入資産が高い場合も、増額の可能性があります。 - 浮気の繰り返し
二度としないと約束したのに、また浮気をしたら、精神的苦痛が大きいとされ増額となる場合があります。 - 子どもの有無
離婚によって子どもの生活や精神的に影響を及ぼすと見なされ、高額請求できる可能性があります。 - 浮気相手との婚外子
浮気相手との間に子どもがいる・妊娠しているケースでは、それは大きな増額要素になります。 - ウソをついていた
明らかに浮気をしているのに、認めずに浮気を続けた場合も、悪質とされ高額になりやすいでしょう。 - 年齢差
浮気相手が配偶者よりも年下かつ年齢が大きく離れていた場合、主導したとされ増額要素となります。 - 一方的な関係破壊
円満な夫婦関係を浮気で壊した場合は、責任が重いとされ、金額が高くなる可能性があります。 - 長期的な浮気・不倫関係
一度の浮気ではなく、長年付き合いがあった場合、慰謝料は高額となりがちです。 - 探偵による浮気の証拠がある
浮気を立証するためにもプロの調査は必要不可欠です。証拠がしっかりとしていれば、高額な慰謝料を請求することもできます。
正当性のある慰謝料はシッカリと高額請求できる
あなたの苦痛はあなたにしかわかりません。
漠然と高額な請求をするのではなくて、上記にあてはまる理由がある場合は、慰謝料は相場よりも上乗せされると考えられます。
そして、相手が故意であるというところをしっかり立証することが大切であり、故意であれば浮気相手にも請求できるので、逃げ得は許さないという強い心を持ってください。
浮気調査をした場合は、慰謝料と一緒に請求すればよい
きちんとした浮気の証拠をつかむ為には、浮気調査を探偵に依頼することになるでしょう。
その際に掛った調査費用は、慰謝料に上乗せして請求しても大丈夫です。
しかし、状況によりすべての調査料金を経費として認めてもらえない場合もあるので、請求し受けとれる金額も考慮した上で、調査、弁護士費用にかけれる金額を逆算することも必要です。
「調査料金+弁護士費用+心労」に対する対価が慰謝料300万円程まで、と考えると何の為に調査するのとなる方もいるかもしれません。
しかし、子供がいる場合は、慰謝料請求と共に養育費の請求を強い心で挑んでください。
ご自身の浮気に対する慰謝料であれば、確かに数百万かもしれません。しかし、子供がいる場合は養育費も発生します。
子供を20歳まで育てるには、1人数千万円もかかると言われていますが、養育費を払わなくなる男性は8割もいるのが現状です。
自分だけの慰謝料と考えると小さく見えるかもしれませんが、子供と自分の将来をトータルで考えて慰謝料も含めて請求するのは正当な権利であり、子どもを守るためにも必要なことです。
ただ、請求するには証拠や請求の仕方、交渉なども重要になってくるので、養育費は慰謝料については離婚・浮気に関するプロにしっかり相談してください。
浮気調査を行いプロの手を借りることで、子供が大きくなるまでの生活を考え、相手にきちんと子供を作った責任と家族を裏切った責任をきっちりとらせることができるようになります。
慰謝料と財産分与は全く別ものである
浮気が発覚し離婚を視野に入れるとき、慰謝料と並んで気になるのが財産分与です。
先に出てきた、海外の有名俳優の慰謝料が高額なのは、そのなかに財産分与が含まれているからです。
財産分与に当てはまるもの
財産分与とは、結婚している間に夫婦で協力して築き上げた財産を、離婚の際にそれぞれの貢献度に応じて分配することをいいます。
対象となるのは「夫婦が婚姻期間中に築いた一切の財産」です。これを共有財産といい、主には以下のようなものが含まれます。
- 現金や預貯金(結婚後に貯めたものは、どちらの名義であっても該当します)
- 投資信託、有価証券(株式や国債など)
- 自動車、家具、電化製品
- ゴルフ会員権など
- 保険料(学資保険、生命保険、損害保険など)
- 退職金や年金
- 絵画、骨とう品や着物など金銭的価値が高いもの
気を付けたいのは、住宅ローンや教育ローンなど、支払い途中の負債も「共有」のものとされることです。貯金は無いのにローンはある、という家庭の場合は、共有財産が予想より少なくなってしまうこともあります。
しかし、財産分与の請求は、慰謝料と同じく法的に認められた権利です。
浮気発覚から、急いでことを進めてしまうと、もらえるはずの財産分与をしないまま別れてしまうこともあります。取り決めはしっかりと行いましょう。
財産分与の種類は3つ
財産分与には、大きく分けて3つあります。
【清算的財産分与】夫婦が婚姻中に形成した財産の清算
結婚期間にふたりで築いた財産を、離婚原因があるか無いかは別として、ふたりで分けましょうというものです。そのため、浮気をした側である有責配偶者からの請求も認められます。
【扶養的財産分与】離婚により困窮する(元)配偶者の扶養
離婚時に片方に経済力がない、また高齢・病気などの場合に認められるもので、離婚後も相手を扶養するために、定期的に支払うという方法が一般的です。
【慰謝料的財産分与】傷つけたことに対する慰謝料としての意味を含むもの
慰謝料と財産分与は違うものですから、本来は別々に計算して支払われるものです。しかしどちらも結局は「お金の話」ですから、区別せずに、「慰謝料を含む財産分与」として支払いがされることもあります。
慰謝料を請求する方法
それでは、浮気が原因の離婚の場合、慰謝料はどのように請求するのでしょうか。
離婚前に夫婦間で話し合う
まずは、夫婦間で離婚と慰謝料について話し合えるのがベストです。
浮気をした側がそれを認め、話し合いだけで離婚とお金の清算ができたら、お互いの傷は浅く済みます。
その場合には、下記3つの方法があります。
- 直接会って話し合い、合意する
- 書面や内容証明を送り、顔を合わせずに慰謝料請求の意思を伝える
- 弁護士に交渉を代理人として委任する
また、浮気をした側に非があり、離婚が大げさになると社会的地位を失ってしまうなどの理由があると、話し合いでの穏便な解決を求められることがあります。その場合は慰謝料の増額ができる可能性があります。
このように、夫婦間の話し合いがスムーズにいけば、離婚手続き開始から示談の成立までをスピーディーに進めることが可能なのです。
離婚を前提としているが話し合いができない時は離婚調停を行う
しかし、離婚は決まっていても、感情のもつれや慰謝料金額の合意が取れない…。などの理由で、話し合いが進まないケースがあります。
そのようなときは、離婚調停に持ち込まれます。
離婚調停は正式には「夫婦関係調整調停」といい、夫婦間での話し合いが進まないときに裁判所に間に入ってもらい、条件のすり合わせをすることです。
離婚調停のメリットとデメリット
【メリット】
第三者が入ることにより客観的に手続きが進められるのと、間に調停委員が入るため相手の顔を見ずに話し合いを進められるということ。
【デメリット】
離婚できるかどうかを裁判所に決めてもらう「離婚訴訟」とは違い、双方の合意が取れないと結論が出ないということです。
お互いの主張が平行線だったり慰謝料の額について納得がいかない場合は、調停の長期化も考えられるので、「早く解決したい」と思う場合は注意が必要です。
浮気相手に慰謝料を請求する方法
配偶者ではなく浮気相手に請求するときは、下記の2つの証拠があると慰謝料を請求できます。
- こちらが既婚者と知って浮気をしていた
- 浮気相手の方が積極的に誘った、関係を無理強いをしていた
逆にいうと、この証拠がなければ浮気相手に慰謝料を請求できないので、探偵さんや弁護士さんとしっかり証拠内容、立証する部分を確認して下さい。
話し合いによる慰謝料の交渉
浮気相手への慰謝料の請求方法ですが、弁護士を代理人に立て、当人同士の間に入れる・入れないのどちらにしても、話し合いで穏便に解決できるならそれに越したことはありません。
しかし、交渉ごとが苦手だったり、浮気相手の顔なんて見たくないという人の場合は、弁護士に代理人としてに入ってもらうことができます。
離婚弁護士は慰謝料請求の経験が豊富なため、交渉をスムーズに運ぶためのノウハウを持っています。そのため話し合いをこじらせずに早く終わらせることが可能です。
ただし、話し合いが決裂したり、取り合う余地もない場合は、民事裁判(離婚訴訟)に持ち込むという選択肢もあります。
浮気相手を訴え民事裁判で慰謝料を決める
離婚調停で話がつかなかった場合は、民事裁判で決着をつけます。ただ、民事裁判の一番のデメリットは、早くて半年、長くなると3年ほどの時間がかかってしまうことです。
早く慰謝料をもらいたい…。という方には長すぎる期間ですね。
話し合いで慰謝料を決めた場合は公正証書に残しておくのが重要
民事裁判までいかず、話し合いで慰謝料が決まった場合も、非常に能力の高い公正証書にその内容を残しておくことが大切です。
これは金額などの条件について「言った・言わない」という後からの争いを避けるためと、万が一相手からの支払いが滞ったときに、相手の給与や財産を差し押さえたり、強制執行を行うことができるからです。
長期間にわたって支払いを受けるときや、相手の支払い能力に不安があるときは、強制執行ができる公正証書の作成をおすすめします。
ただし公正証書は勝手に作ることができません。
必ず相手の同意が必要です。
また、公正証書を作成したからと言って必ず強制執行できるわけではありません。強制執行できるようにするためにはそれ相応の書き方と必要な内容があります。
このあたりは行政書士に相談すると安く済みます。
特に離婚に関する公正証書は女性行政書士がおすすめです。
裁判では浮気・不倫の証拠が重要
浮気が原因の離婚で、民事裁判になってしまったとき、自分に有利にかつスピーディーに終わらせるために一番必要なのは「使える証拠」です。
裁判では何よりも浮気の事実証明が必要です。
裁判官にあなたの主張が正しいと判断してもらえたら、希望通りの慰謝料を払ってもらえる可能性はグッと高まります。
どのような証拠が裁判で重要視されるのかは、前回の記事を参考にしてください。
浮気・不倫による慰謝料の請求を考えるなら、浮気調査専門の探偵に依頼しましょう。
浮気調査専門の探偵を選んだ方がいい理由は、下記の記事をお読みいただければお分かりいただけます。
【浮気調査の失敗談】アーカス VS 探偵相談所から紹介された某有名探偵
ぜひ参考にしてください。